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2014.03.22 お願い
◇患者さんのどの部分も持ち上げない押さえつけない
脳幹梗塞とパーキンソン病のためにけい縮の強い
患者さんです。頭や胸が背中側に反ってしまうと
腰や足も弓なりに反り身体は滑り落ちてしまいます。
持ち上げたり力づくで動かすと、
逆にけい縮を強めてしまいます。
患者さんの痙攣や緊張状態は見ただけではわかりません。
介助する人が、自分の身体の緊張の変化を感じられるようセルフコントロールします。
そうすると患者さんと接触した部分から、患者さんの痙攣の状態やわずかな動き、身体の固さ(緊張状態)を感じることができるようになります。
患者さんが頭を振ったり揺れたりする動きを止めないようにしながら支えます。
患者さんが自分の足や手、骨盤で自分の重さを支えて調整できるよう、その動きを邪魔しないようにします。介助者は患者さんの首が反り返ってしまうことで身体全体の緊張が高まらないように時にはクッションのように患者さんの動きを受け止めながら
支えます。患者さんは自分で身体をコントロールしているので、緊張が緩み足の方を見ることができました。靴を履かせてもらうところに注目しています。
この方は、入院当初、けい縮が強く身体全体が反り返って側臥位になることもできませんでした。バスタオルで身体全体を傾ける体位変換を止め。1ヶ月間、頭、腕、胸、腰、足のパーツごとにゆっくり動かしてポジショニングを変えるように介助しました。
これは、腕をゆっくり数字の8を描くように動かしています。どのように動くのか患者さんはどんな動きができるのか、動かしたり動かされたりしながら観察します。
足は股関節を数字の8の時を書くように動かしました。
時には足を立てて足底に骨盤の重さを乗せてみたりしました。
このように、パーツごとにどのように動くのか介助者は動きを通して患者さんから教えてもらい、患者さんは自分自身で気がつくことができなかった自分の動きの可能性に気付きます。
ムリな体位変換とヘッドアップでできた尾骨部の褥瘡は1ヶ月で治癒しました。
(写真の掲載については、ご家族の承諾を得ています)
顎がはずれていたら、口腔外科に相談しようと思いましたが大丈夫でしたので、両手で下顎の骨を支えて口を閉めるサポートをしました。
ゆっくり行います。
できないときはムリをせずに一回休みます。
そして、少し時間が経ってから試してみます。
すると、すっと口を閉じることができました。
口が閉じると、患者さんの表情は和らぎ、左右に首を振って回りの景色を見ました。
今までやっていなかった動きです。
試しに、自分でこの患者さんのように大きく口を開けたまま首を動かしてみてください。
できなくはありませんが、少し難しくなるのではないでしょうか?
患者さんはサポートすると、口の開閉がわずかに調整できました。口が調整できたら、身体全体の緊張感が緩和されました。頭、手、胸、骨盤、足を動かすと感じることができました。
この患者さんは、脳幹梗塞とパーキンソン病、認知症の影響で入院時は、
身体全体にけい縮が起こりやすく、ムリに動かそうとすると
より身体が硬くなるという状態でした。
食事をしていましたので、誤飲を避けるためにヘッドアップをしますが、
固くなった身体はすべり台を滑るようにベッドの足下に下がっていきました。
この影響で、尾骨部には慢性的な褥瘡がありました。
シーツで側臥位にするために傾けても板を立てみたいな感じです。
カチカチで後ろに倒れそうになりました。
ムリに動かすと、恐怖心から顔がこわばりました。
「インタラクション」「マスとツナギ」「骨と筋肉」これらの概念を用いて分析しました。
ゆっくり患者さんの動きを感じながら、パーツごとに動かしました。
筋肉で重さを支えることをせず、患者さんの体重は骨のある固い部分から
指示面にかけるようにサポートするようにしました。
すると、上記のようなことができるようになりました。
患者さんにとって必要な時間がかかって今の状態に進みました。
最初にお会いしたときは、ベッドサイドや車いすに
移乗できるとは思えないくらいサポートするのが難しい患者さんでした。
臥床している姿の写真を見ると、足や腰、胸、頭など
体幹部分にけい縮と拘縮がみられるのが少しご理解していただけるかもしれません。
まるで胸からぶらさがってしまったように落ちてしまった頭の部分を、
前の方に少しずつ傾けて胸に乗るようにサポートします。
もう1人手伝ってもらって、頭と胸を腰に乗せていきます。
この患者さんは引っ張ってしまうと、けい縮を強めてしまい、
もっと身体が下がってしまうのです。
身体のパーツをゆっくり積み上げていきます。
患者さんは足に力を入れてくれました。
少し、腰が上がって引きずることなく下がってしまった身体が
もどって、車いすに座ることができました。
↓の写真は
頭と胸と腰を足に乗せるサポートをしています。
よくみてください。引っ張りあげてはいないのです。
右の看護師は、自身の膝で、患者さんの膝を支えて前に倒れないようにしています。